目を引かれる特別な空間への旅、香港茶房と停留所

“私が香港に来た目的はあなたではありません。 あなたがここに来たのも、私のせいではありません。” – 映画 <原題『甜蜜蜜』　邦題『ラヴソング』> より

皆さんは道を歩いている時に偶然、自分の目を引くような空間に出会ったことがありますか？ 特別でもない平凡な空間なのに、何故か長い間目が離せなかった経験が。

しばらく夢中になり、はっとして「なんでこんなに目を惹かれたんだ？」となるような空間。

私は今日、そのような空間を発見しました。 視線を止めたその先に向かって、今日は私と一緒にささやかな旅に出てみるのはいかがでしょうか。

“街で出会う香港、香港茶房（ホンコンタバン）“

弘大入口(ホンデイック)駅から約束の場所に向かって歩いていると、とある場所に目が留まりました。それが。

ありふれたコーヒーショップじゃないかって？ はい、そうです。 名前からもわかるようにレトロな雰囲気を持つここは、平凡なテイクアウトコーヒー専門店です。

けれど、ご存知でしょうか？　私は一時、香港に住んでいた人間です。 下手くそな英語と中国語で2年間、香港で働いて遊んで、いろいろな人とぶつかりながらも暮らしていました。 休日にはカメラを持って香港のローカルな場所をあちこちを歩き回り、 美味しいお菓子を買って食べて、きれいな建物を見て回りながら、香港の人たちと仲良くなった思い出を今でも大事にしています。

誰かにとってはありふれた場所や単語が、他の誰かにとっては「その時のその場所を召喚」する魔法のような空間になることもあります。 香港茶房は「タッ！」と私の思い出と情緒に触れてくる空間でした。

小さな商店が立ち並ぶ香港の商店のように、路地の片隅に位置する小さくて魅力的な空間。

香港茶房　弘大入口駅店

– 서울 마포구 양화로18길 9 1층（ソウル 麻浦区 楊花路 18キル 9 1階） 　

– 地下鉄2号線、空港鉄道、京義・中央線：弘大入口駅 8番出口から57m

私が訪問した場所は、香港茶房の中でも弘大入口駅店です。

社長が香港にいた時の記憶を思い出しながらオープンしたそうです。 香港に住んでいた私にとっても、お店のあちこちで感じられる香港の雰囲気にやられて、しばらく「思い出の香港」に浸っていました。

グルメ旅行地として有名な香港は、エッグタルトやミルクティーといったデザート類も有名です。 食天国香港を思いながら、香港風ワッフルの「鶏蛋仔（ガイダンジャイ）」、「香港式ミルクティー」、そしてミルクティーにコーヒーが追加された「鴛鴦茶/ユンヨンチャー（凍鴛鴦/ドンユンヨン）」を注文しました。

近いうちに香港旅行の準備をしなければなりません。

あとがき. 香港の味を忘れられなかった私は数日後、「鶏蛋仔（ガイダンジャイ）」と「ミルクティー」、そして「凍檸茶（ドンレンチャ/レモンアイスティー）」を出前アプリで注文しました。出前で食べてもおいしい香港の味でした。

2つ目は、とある停留所についての話です。

“変わらないとある幻想についての話、停留所”

映画『ゴーストワールド』にはこんなセリフが出てきます。

“あなたは私にとって、信じられる唯一の人。だっていつもここにいてくれるから” “それは君の考えだ。私はいつかここを離れるよ”

バス停でいつも来ないバスを待っているおじいさんを見て、主人公の少女が告げた言葉です。けれど、この映画はおじいさんがバスに乗って旅立つシーンで終わります。

変わらないでいてほしいものがどんどん変わっていってしまうようで悲しくなったり、 また一方では変わらなければいけないにもかかわらず過去の何かに自分が縛りつけられていて変われていない気もします。

だからか私はバス停を見るたびに変化に対する期待感と悲しみが同時に浮かぶのです。

今日は弘大にある、「コカ・コーラゼロドリームワールドポップアップストア」に向かい、そこに展示されていた椅子を見ていました。映画『ゴーストワールド』の停留所の椅子に似ていて、なんだかしばらく眺めてしまいました。

は2022年10月22日 – 12月4日までの開催の為、訪問される方は日程をよく確認してください。

<コカコーラゼロドリームワールドポップアップストア>

– 서울 마포구 양화로 176 와이즈파크 홍대 B2층 （ソウル 麻浦区 楊花路 176 Y｀Z PARK弘大 地下2階）

ちなみに<コカ・コーラゼロドリームワールドポップアップストア>の椅子は、最近たまに見かけるグリーン色のスチールチェアですが、 この椅子はロナン＆エルワン・ブルレック (Ronan & Erwan Bouroullec) 兄弟がデザインしたアウトドアコレクションのPalissadeです。

ロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec, 1971~)とエルワン・ブルレック((Erwan Bouroullec, 1976~)は、フランスのデザイン界を先導するデザイナーで、自然から受けたインスピレーションで自然の有機的な形態をデザインに昇華し、産業的な材料として生産しています。彼らの作品にはサムスン セリフTV(Samsung Serif TV)などがあります。

ブルレック兄弟のデザインに興味がある方は、PALISSADE CHAIR(パリセードチェア)を調べてみると面白いと思います。

皆さんの目が引かれる日常の空間はどこですか？